霧の街のポリフォニー

活動②

新たなシャドーワーク2

2021年9月─2022年3月

2020年度に実施した「新たなシャドーワーク」では、美術・芸術の制作現場から出るゴミ(廃棄物)や資材を、副産物と名付け、新たな芸術資源として、魅力を持ったモノへと変換、活用する活動を紹介しました。崇仁地域への大学移転を 2023 年度に控え、本年度は、「芸術・ゴミ・大学」から「芸術・ゴミ・地域」へと視野を広げ、ギャラリーや美術館での作品展示とは異なる価値観でアートを捉え直し、芸術資源だけでなく、高瀬川の陶片、廃材及び区画整備に伴う伐採樹木なども含め、地域の資源として活用する仕組みを構想します。

ワークショップ

「川掃除・陶片・想起」

日時|9月26日(日)10:00–15:00
会場|東九条地域高瀬川周辺〔屋外+屋内会場〕
講師|梁 説ヤンソル(Books × Coffee Sol.店主/東九条マダン実行委員)

梁 説ヤン ソル

マダンでは主に韓国の民衆劇「マダン劇」づくりを担う。2020年から東九条「耕す計画」をはじめる。残りの人生を、東アジアの近代史を自らの生から捉えなおす作業を行いたいと思っている。加えて、あこがれのムーダン(朝鮮半島の女祈祷師)か「太陽の塔」になれないかまじめに思案中。立命館大学先端総合学術研究科一貫制博士課程中退。

セミナー

「新たな物質代謝の提案─副産物産店の試み」

日時|11月19日(金)13:30–15:00
会会場|京都市立芸術大学
講師|矢津吉隆(美術家/kumagusuku代表/副産物産店)
山田毅(美術家/只本屋代表/副産物産店〔本事業プログラムコーディネーター〕)

副産物産店

副産物産店(矢津吉隆+山田毅)は、アーティストのアトリエから出る魅力的な廃材を“副産物”と呼び、回収、販売する資材循環プロジェクト。作品の制作過程で副次的に生まれてくる“副産物”は、アトリエの片隅に置かれいずれは捨てられる運命にあったモノたちです。それぞれの作家の感性を帯びた作品未満のそれらのモノたちに敢えてスポットを当てることで、ものの価値や可能性について改めて考える機会を創出します。主な展覧会は「やんばるアートフェスティバル2019-2020」(大宜味村立旧塩屋小学校、沖縄、2019–20)、「かめおか霧の芸術祭」(亀岡市文化資料館、京都、2021)など。京都を拠点に活動。

セミナー

「暮らしのモンタージュ:フィールド研究の余白」

日時|11月26日(金)13:30–15:00
会場|京都市立芸術大学
講師|澤崎賢一(アーティスト/映像作家/一般社団法人リビング・モンタージュ代表)

澤崎賢一

京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程修了。博士(美術)。映像メディアを活かした学際的活用の基盤となるプラットフォーム「暮らしのモンタージュ」を企画・運営。主にアジア・アフリカでフィールド調査を行う人類学者や農学者らの協力のもと、彼ら研究者の活動を記録した映像制作を行い、彼らの主たる研究内容だけでなく、そこでこぼれ落ちてしまう「余白」的なものも含めて、映像メディアの使い方を工夫した独自の創造性を追求している。

セミナー

「生起するクマグス」

日時|12月1日(水)13:30–15:00
会場|京都市立芸術大学
講師|前田耕平(アーティスト)

前田耕平

1991年和歌山県生まれ。2014年パリ国立美術学校交換留学。2017年京都市立芸術大学大学院美術研究科構想設計専攻修了。人や自然、物事との関係や距離に興味を向け、様々なアプローチで探求の旅を続けている。自身の行為と体験を手がかりに、国内外で映像やパフォーマンスなどの作品を発表。近年の活動に南方熊楠の哲学思想を追った「まんだらぼ」プロジェクトなどがある。