霧の街のポリフォニー

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展示
会期11月27日(土)–12月20日(月)

実験展示《EREHWON~いまここにありどこにもない場所》

フィールドワーク
イベント終了

フィールドワーク「点音再訪②─蔓る声」

どうして「はじ」は「耳の心」か?

恥(羞)らいはshyともshameとも書ける。 どうして「はじ」は「耳の心」か?
耳の色は自律神経系に属していて、 意志はそれらを統御し得ないのである。

────「耳の心」ナム・ジュン・パイク※より

在日コリアンの街として知られる東九条は、京都駅の東南部に位置し、戦前・戦後の混乱や差別、その後の都市開発による変容を受けながらも違いを尊重しあう独自の文化と暮らしの生態系を育んできました。その一方で住民の高齢化と人口減少への対策から、新たな開発計画など経済のネットワークがもつれ、街の暮らしは大きく変わり始めようとしています。本年度で3年目となる「聞こえないを聴く・見えないを視る」事業では「CASE-3 霧の街のポリフォニー」と題したプログラムを実施します。「活動① 霧の街のポリフォニー」では、街の変化を映像や言葉ではなく身体や環境に働きかける生きた経験として捉える創作、「活動② 新たなシャドーワーク2」では、芸術・ゴミ・地域の新たな価値循環システムの構想、「活動③ 分有の技法」では互いに離れつつも共にあり、経験を共有する創造実践の考察。以上の3つを軸とした取り組みから構成されます。大学での授業は「教える/教えられる」「雇う/雇われる」など固定した役割の枠組みで進められますが、このプログラムでは、それらを再配置し「生きること・働くこと・学ぶこと」をひらく芸術の可能性について考えてゆければと思います。

プログラムディレクター 高橋悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)

※『音楽のピクニック』小杉武久著,1991年

活動概要

活動①

[プロジェクト] [セミナー] [フィールドワーク] [ワークショップ]

霧の街のポリフォニー

2021年9月─2022年3月

「霧の街のポリフォニー」は、都市開発により変容してゆく地域の記憶を言葉や映像ではなく、身体や環境に働きかけ想起する方法を探る試みです。地域の人々がかつて暮らした空き地の中心に時間の穴としてのVOIDを設営するプロジェクト「Erehwon in 東九条─Voice ofVoid」を行います。このVOIDは特殊な遮音効果により音の風景の中に「沈黙・空虚」の時間を挿入する装置となります。そうして、この沈黙の装置の中では潜在する複数のノイズ・多声=「耳の心」が想起されてゆくことになります。また「点音再訪」では、2018年にサウンド・アーティストの鈴木昭男により実施された「点音」プロジェクトを新たなアーティストと共に再訪し変化しつつある街のありようを捉えてゆきます。また、これらの活動をもとに記録冊子を制作します。

講師

荒木優光(アーティスト/サウンドデザイナー)
小松千倫(美術家/音楽家/ DJ)
ガブリエ・バロンタン(アーティスト)
杉山雅之(美術家)
倉智敬子(美術家)
髙橋悟(美術家/京都市立芸術大学美術学部教授)

活動②

[セミナー][ワークショップ ]

新たなシャドーワーク2

2021年9月─12月

2020 年度に実施した「新たなシャドーワーク」では、美術・芸術の制作現場から出るゴミ(廃棄物)や資材を、副産物と名付け、新たな芸術資源として、魅力を持ったモノへと変換、活用する活動を紹介しました。崇仁地域への大学移転を 2023年度に控え、本年度は、「芸術・ゴミ・大学」から「芸術・ゴミ・地域」へと視野を広げ、ギャラリーや美術館での作品展示とは異なる価値観でアートを捉え直し、芸術資源だけでなく、高瀬川の陶片、廃材及び区画整備に伴う伐採樹木なども含め、地域の資源として活用する仕組みを構想します。

講師

梁 説ヤン ソル(Books × Coffee Sol.店主/東九条マダン実行委員)
矢津吉隆(美術家/ kumagusuku代表/副産物産店)
山田毅(美術家/只本屋代表/副産物産店 〔本事業プログラムコーディネーター〕 )
澤崎賢一(アーティスト/映像作家/一般社団法人リビング・モンタージュ代表)
前田耕平(アーティスト)

活動③

[セミナー]

分有の技法~離れつつ共にあるアート

2021年9月─11月

ステイホームによる日常の行動変容は、家・家族・仲間との共存の形に変化をもたらすと共に、ネットカフェ難民やホームレスなど「ホーム」を持たないものは、社会の「圏外」に置かれる危険にさらされています。本年度は、詩作・模型・道祖神など身体と自然の対話が必要な領域とオンライン/オフラインの関係を探ることで、離れつつも共に有り、経験を共有することをテーマにした創造実践のあり方を探求します。

講師

小松和彦(郷土史研究家/小松クラフトスペース店主)
宮原葉月(アートクリエイター)
松井広志(文化社会学・メディア論/愛知淑徳大学准教授)
小内光おさないひかり(詩人)

応募方法

応募フォームよりご応募ください。選考結果はメールにてご連絡いたします。

応募締切|2021年9月12日(日)23:59

選考結果通知|2021年9月17日(金)まで

オリエンテーション|2021年9月25日(土)13:30-15:30

会場|京都市立芸術大学 新研究棟2階 共同講義室1

募集は締め切りました。ご応募ありがとうございました。

実施要項

受講料|無料

募集定員|15名

実施内容|本事業では、プロジェクトを中心とした年間を通したプログラム〔セミナー〕〔ワークショップ〕 〔フィールドワーク〕を開講し、研修生と共に芸術実践に関わる知識と経験を深化させてゆきます。

実施期間

2021年8月─2022年3月

会場

東九条地域周辺(京都市南区)
京都市立芸術大学 ほかを予定しています。

※各講座の集合場所・詳細な開催場所については、研修生にメールにてご連絡いたします。

諸注意

・プログラムの日時や講師、会場等は変更となる場合があります。
・新型コロナウィルスの感染拡大状況により、講座をオンライン開催に変更する場合があります。
・台風などの天候や新型コロナウイルス感染防止のために開催を中止することがあります。
・オンラインレクチャーの画面録画、イベントのカメラ・ビデオ等による記録撮影が行われ、ウェブサイトや報告書、広報物等で使用させていただく場合がございます。予めご了承ください。

お問合せ先

Eメール | art-f@kcua.ac.jp

電話 | 075-334-2006(教務学生課/受付時間|平日9:00–17:00)